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PSVRレビュー・インプレッション―ゲーム界の革命児を買うべきか

どうも、TRYDERです。

久しぶりの更新ですが、ここのところ私事が多忙だったためご容赦を。

 

この度、10/13発売のゲーム界の革命児、PSVRをkonozamaの影響で一日遅れで入手したので、PSVRの印象をレビューを兼ねて紹介したいと思います。

 

箱の時点からワクワク!

外箱を開けると中には、プレイステーションマークが描かれた簡素な箱があった。更に、箱を開くとPlaystaition VRの文字が記された説明書。その説明書をどけると配線図が描かれたコード入れが詰まっており、その下にはPSVR本体がある。

 

ファーストインプレッションは“宝箱”。アミューズメント体験が包装の時点で既に始まっていた。

 

 いざ、配線。

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▲上記動画よりキャプチャ

図面で一見すると面倒に見えるが、1ページごとにデカデカと描かれたイラストに一行程度の説明が添えられた説明書を見ればさほど苦労はしない。また、コードにも番号シールが貼られており、本当に説明書のイラスト通りに繋げば簡単。ユーザーが嫌がりそうなことを見越して説明書やコードに工夫を凝らしている点には感心させられた。

 

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▲コードに貼られた番号シール

 

PSVR外観

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正面はこんな感じ。画像左のコードに付属している白くて細長い物はリモコンで、PSVRの電源スイッチや音量調節などが出来る。

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背面。肌に触れる部分はラバーで覆われている。特に目元と鼻周りを覆うラバーの剛性に不安が残る印象。もしもラバーが切れた場合、修理でいくら取られるのだろうか。

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下から。後頭部下にあるゼンマイは頭を締め付けるための物、同じく後頭部にある白のボタンを押せば締め付けが解除される仕組み。画像下部、PSVRで言うとディスプレイ部の底面右側の黒ボタンを押せば、ディスプレイ部が前後にスライドする。

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ゴーグル部分アップ

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後頭部アップ

 

装着 ~そして電脳空間へ…~

PSVRの電源を入れてPS4を立ち上げるとアップデートが始まり、PSVRの設定に移行する。いよいよ、PSVRを装着するわけだが興奮していたせいか、かけている眼鏡が曇って画面が見えづらい。このPSVRの内部が“蒸れる”問題はプレイ中にも付き纏い、夏場にプレイするならクーラー必須かなと感じた。

 

設定が終わるとPS4のメニュー画面が。す、すごい……頭を動かしても少し前の方にメニュー画面が定位置に留まったままだ。まるで映画館のスクリーンを見ている感覚で、月並みな言葉だが感動してしまった。

 

まず、ダウンロードしたのはKITCHEN(税込100円)とPlaystationVR Demo Disk。初めにKITCHENをプレイすることにしたがそこではPSVRが驚くべきポテンシャルを見せつけてきた。

 

没入感? 臨場感? いや、“現実”だ!!!

KITCHENはバイオハザード7のデモとして作られた体験型のゲーム。薄暗がりの中、手を縛られた状態で始まり、視点しか動かすことができない。倒れていた男が僕の拘束を解こうとナイフで縄を切ってくれていると、背後に女性の影。手にはナイフを持っており近寄ってくる。男が刺されると分かっていても実際に目の前で刺されると、苦悶の声が自然と自分の口から漏れ出ていた。

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刺されて倒れた男を尻目に女は僕の太ももにナイフを突き立てる。本能で「やめろ、やめろ」と脳内で叫んでいた。直後に本当に刺された感覚を味わう。そして、なんとか倒れていた男は立ち上がり、女に一刺し食らわせるも、もみくちゃになりながら奥の方へと消えていった。しばらくすると、ごろんと男の首だけが転がってきて血が床に広がっていく。

 

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この時点で言い知れぬ不安が包み込む。唯一の味方が消え、ガサゴソと女が蠢く音のみが耳を叩く。周囲を見回していると突如、視界一面に血塗られた両手が表れる。成る程、ホラー映画でお決まりの後ろを確認することが出来ないというのはあながち嘘ではない。そして逆さになった女の顔が表れ、デモは終了した。

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僕はKITCHENを体験した海外記者の反応を動画で見て「嘘乙」と笑っていた。しかし、これを体験してしまうと悔悟の念が押し寄せる。自分の場合、プレイ中に何度もオプションボタンを押して一時停止をし、動悸と息切れ、そして絶叫。これはもはや、没入感や臨場感という言葉で括ることが出来ず、仮想現実の名が示す通り、身体機能を揺さぶるほどの紛れもない現実があった。

 

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▲海外記者の反応

 

このような反応をVR研究の場では五感相互作用と呼ぶが、その言葉の意味を存分に噛みしめることが出来た。

 

気になりそうな点・気になった点

1.コードの干渉

やはり、ヘッドマウントディスプレイ自体やイヤホンに付いているコード類は気になる。サマーレッスン開発者の原田Pが仰っていたようにコードの都合上、後ろを向くと絡まって煩わしさを瞬間的に感じることがある。この時、没入感から覚めてしまうので出来れば今後、ワイヤレス化をして欲しい。

また、ゲーム開発者も後ろを向いての操作の煩わしさを勘案の上で制作して欲しいということを、Rez Infiniteのボス戦で後ろを向いての戦闘を行った時に感じた。Rez Infinite自体は音ゲーとシューティングが融合した新感覚リズムゲームで、電脳空間を浮遊しているような創造的なゲームだったのだがそこが唯一残念だった。

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▲PSVR Demo Disk収録タイトルの一つ、Rez Infinite

 

2.解像度

動画で配信されているゲーム映像のようなグラフィックは、PSVRの解像度の仕様上完全再現出来ない。ジャギ*1のような粗さを感じる場面が多々あり、ゲームによっては完全なVR体験とまではいかない。ただ、頭部を動かし続けるのでブレて余り気にならない範囲ではある。

同じような製品のOculus RiftやHTC Viveには性能的に劣るが、価格面で4万円程度の差を付けている点から見ると、値段相応といったところ。贅沢を言うならば本来の意図したグラフィックを再現できるような高性能モデルを開発してほしい。PS4proでより質感が向上するとの情報があるが、こればかりは実機で体験しないとまだなんとも言えない点である

 

 

3.重い

PSVRは610g。長時間プレイ出来ると謳っているものの、長くプレイしてくると首が若干痛くなってくる。これは激しく視点を動かすゲームに顕著で、視点で照準をあわせるタイプのゲームを長時間プレイするにはキツイ。短時間でゲームを切り上げるのも健康的でいいかもしれないが、軽量化というのも今後の課題になるだろう。

 

4.目が疲れる

画面が近いからなのか、モニターを見るよりも画面一杯に視線を動かすことが要求されるからなのかは分からないが非常に目が疲れる。自分の場合、2~3時間が限度かなと感じている。

ちなみに蛇足だが、BF4やウォッチドッグスのようなPS4向けのゲームも色々と試してみた。普通のゲームは解像度が低いPSVRでプレイするにはやり辛く、目が疲れるだけなのでモニターでやることを強くオススメする。

 

5.酔う

これは体質によると思うのだが、自分の場合はドライブクラブVRのようなレースゲームは非常に酔った。ソニーのPSVRサポートを覗くと、以下のようなことが書いてある。

 

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▲PSVR「VR映像の視聴に関する健康のためのご注意」ページよりキャプチャhttp://www.jp.playstation.com/support/vr_caution.html

 

自らの健康状態やコンディションに左右されるハードなので、そこに留意して購入を検討して欲しい。

 

6.曇る

前述した通り、特に眼鏡の人は蒸れて曇る。しかし、液晶部分を前にスライドさせることができ、定期的に換気してあげることで改善するので、この点に関しては安心して欲しい。

 

7.ヘッドホンとの干渉

公式のPSVRサポートにも書かれている通り、ものによってはPSVR本体と干渉するヘッドホンがある。自分の場合、それが該当してしまった。

また、干渉しなくても締め付けが甘い場合、勢い良く上を向くとヘッドホンが落ちてプレイに集中出来ないことがあるので、現状はカナル型のイヤホンが良いかなと感じる。情報が出揃えばオススメのヘッドホンなどの記事が出回ると思うので、それまでは付属のステレオイヤホンや自前のイヤホンを繋ぎとしたい。

 

8.PSVR本体やPSカメラに搭載されたマイク

初期設定でマイク機能がオンになっているので、意図せずに自分の周囲の環境音が垂れ流しになる。そもそもこのマイクの存在が必要なのかはさておき、プライバシーの問題があるのでより周知する必要がある。

 

PSカメラのマイクを切るには

PSボタンの長押し>サウンドと周辺機器のタブ>PSカメラのマイクを消音にするにチェック

 

PSVR本体のマイクを切るには

PSVRのコードに付いたリモコンでミュートのボタンを押す

 

まとめ

まだ、開拓されたばかりの分野であるため、整地されていなかったり舗装されていない箇所は多々ある。しかし、まだ見ぬ土地に思いを馳せる冒険心が強い“ゲーマー”ならば買う価値は相当にある。が、急いで買う必要は無いというのが僕の印象だ。現時点ではVR対応ソフトの少なさがネックだが、海外報道によると“発売から3ヶ月で140万台の販売”を達成する見込みであり、これだけ普及すればタイトルも増えていくだろう。

 

 

ソース

www.wareable.com

www.jp.playstation.com

 

 

*1:グラフィックの輪郭が文字通りジャギジャギしていること