Watch Dogs レビュー・感想
どうも、TRYDERです
Watch Dogs2が発売されますね。舞台はサンフランシスコ、楽しみです。
Watch Dogs 2 - ウォッチドッグス2 | Ubisoft
しかし、僕は前作のWatch Dogsをやったことが無く、TGSセールでpsstoreにて999円で販売されていたのでこの期にやってみました。
クリアしたので、所感を書いていきたいと思います。
新しい試みと魅力ある題材は次作への期待を大いに抱かせるものである。
BY TRYDER→このゲームは未来のシカゴを舞台にしたオープンワールドアクションゲーム。乱暴な言い方で例えるならば、グランド・セフト・オートにハッキング要素を足したようなゲームと言える。ハッキングというこのゲーム独自のオリジナル要素は、街を支配しているような感覚を味わいたい人に最適なものを与えてくれるだろう。本作の目玉とも言えるオンライン侵入はかくれんぼや鬼ごっこを彷彿とさせ、緊迫感と駆け引きが楽しめる。惜しいのは、「あと一歩でクオリティが良くなるのに」というような要素が節々に見られることだ。
ゲームの魅力的な部分を詰め込んだおもちゃ箱のようなトレーラー
本作のテーマはネットワーク化されたテクノロジーに対する警告だ。ctOSと呼ばれるシステムはインフラやセキュリティなど街の隅々を管理している。このテーマの面白いところは下手をしたら「1984年」のような監視社会が完成してしまうという点。ctOSを開発したブルーム社が語る理想郷とは程遠いものであり、本作はディストピアというテーマも包含している。
本作のストーリーラインは、主人公のエイデンがハッキング犯罪を行っていたことが原因で6歳の姪を失い、襲撃を命じた黒幕に復讐するというもの。自分のしたことで周囲が巻き込まれていくという物語上の展開は非常に魅力的で個性的なキャラクターが織りなす関係性も面白い。
しかし、その魅力が上手く生かされていないところは「あと一歩」という評価を裏付けするものだ。
具体的に挙げていこう。主人公のエイデンは姪が死んだことがきっかけで、犯罪を強く憎み積極的に犯罪阻止に介入していく。しかしながら、自身が犯罪に加担する場面もあるし、復讐のためなら他者の犠牲も止むをえない節がある。そういった矛盾を解消するために、“実は殺害した男は異常性癖の持ち主で”という無理のある理由付けをしている点は首を傾げた部分であった。
ただ、もともとフィクサーという傭兵であるし、復讐を誓った男であるので物語的に破綻をきたしているわけではない。また、感情移入という点は意図されていないしする必要は無い。ハッキングを楽しむために意図されたキャラ付けなのだ。
また、壮大な物語背景が判明する手段が、入手が面倒なやりこみ要素である音声ログというのも残念だ。音声ログを集めているかによってエンディングの選択を変える人もいるであろうことを考慮すると説明不足感が否めない。
いまいち物足りないハッキング要素
巨大なサイバー都市であるシカゴは、オンライン侵入もあるためかなり高低差を意識した作りになっており、しかも精巧に作られている。そのためいわゆる“コピペ感”を全く感じず、どの街も新鮮な気持ちで探索やドライブができる。
それだけの舞台を用意しておきながら、出来ることと言えば信号切替、蒸気管や配電盤の爆破、車止めや橋の上げ下げ、列車の停止など局地的なものに留まっている。アクションのエッセンスにはなっているが、街を混乱させたりインフラを麻痺させるような、まさしく現在進行系で懸念されている出来事のような行為は出来ない。これではネットワーク化されたテクノロジーに対する警告というテーマが弱くなってしまう。
また、街中を歩くNPCのスマートフォンをハッキングすることも出来るが、たまにチャットや電話を盗み見/盗み聞き出来る程度で、じきに飽きて注視することは無くなる。ctOSは市民の生活を監視しているということへの恐怖感が、プレイヤーには弱く見えてしまうところは残念だ。
ただし、オンラインでの対戦ではハッキングが真価を発揮する。車でのレースや警察側と逃げる側に分かれて行う追いかけっこのモードなどでは、ハッキングで相手を妨害でき、そこそこ楽しい。プレイヤーは「あそこはハッキングされそうだぞ」と思い、そこを避けて通るなど戦略性のある駆け引きが繰り広げられる。
細かな粗が目立つ。が、可能性も感じる。
本作はパズルの1ピースが足りないもどかしさが延々と続くゲームと言えるだろう。列挙してみるとキリがない。「R2がダッシュなど操作性が特殊でキーコンフィグが無い」、「金の使い道が武器くらいしか無く、ATM関連のスキルも意味なし」、「再プレイ性に欠けるサイドミッション」、「武器選択の価値が薄い」、「市民評価が低すぎると即通報など自由度を阻害する要素」などなどなどなど……
このように細かな粗に目が行くのは、少し改善すれば良いものに化けることの裏返しにほかならない。例えば、GTAオンラインのようなモードのフリーロームでは最大8人で出来ることが観光か殺し合いくらいなので、最大人数と遊べることを増やせばより良くなるだろう。
本作にのめり込める要素は確かに存在している。悪い点ばかりをクローズアップしてしまうと、可能性も正統な評価も潰しかねない。街を冒険する楽しさは勿論のこと、ストーリーミッションの他にサイドミッションのギャングハイドアウトは非常にのめり込んでプレイをしていた。敵を爆破したり、リフトを上げ下げして敵の注意を引いたりなど、潜入にハッキングが大いに関与しており、無事ターゲットを取り押さえた時の爽快感と達成感は大きい。潜入ゲームとしての金字塔を打ち立てたMETAL GEAR SOLID程の洗練さは無いものの、充分な面白さと自分はハッカーであるという意識を改めて感じさせてくれる。
他のオープンワールドゲームと比べられがちな本作だが、素材も試みもテーマも全てが意欲的でオリジナリティを発揮することは存分に出来ていた。
THE VERDICT(判定)
Watch Dogsは磨かれきっていない原石がごろごろとあちこちに散らばった鉱脈のようだ。素晴らしいハッカー体験と生きている街、魅力的なキャラなどによって、このゲームへの可能性を大いに感じられるだろう。次作を示唆する終わり方をしていることを鑑みても本作をプレイすることを強くオススメする。新しいゲーム体験を与えてくれるし、新たなIPのスタートとしては充分過ぎる出来だろう。
あとがき
今回は某IGNの記事風に構成しました。不快に思わせてしまったら本当にごめんなさい。
何故、こんなことをしたのかと言えば、コンテンツの魅力を正しく伝える勉強をしたかったのです。例え、猿真似でもそもそも真似すら出来ていなかったとしても、書いてみたことで得るものはありました。
前回の記事のように制作者が見ている可能性がありますので、問題点ばかりあげるのもどうかと思います。魅力を伝えるという点ではそれはあまり良くないかもしれません。ただ、某紙のレビューのようにユーザーにあてにならないレビューと言われては元も子もありません。そんな中で、直球でレビューを行っているIGNの記事風に書いてみて分析したかったのです。
IGNでは独自のガイドラインを設けています。引用します。
IGNではとにかく楽しむことに重点が置かれているが、レビューのときは真剣だ。レビューの目的は2つの要素からなる。ある作品が狙い通りに成功できているのか失敗なのか。それを批評する視点が1つ。もう1つは、苦労して得たお金と時間を費やす価値があるかどうか、その判断材料となる情報を提供することだ。IGNは楽しくプレイできるゲームを探しているが、同時に限界を超えて新しい分野を探索するようなゲームの発掘にも熱心だ。
その結果、自分はまだまだだなと感じましたね(笑)
今回の場合、IGN節と言えるような、プレイの印象を何かに例えたり、鋭い指摘を評論文チックに綴ったりするのが非常に難しかったです。また、どこまでを書いて、どこまでを書かないとかの線引。そもそも自分の指摘は的を射たものであるのかどうか……
これからも自己満足ながら、あちこち寄り道して僕の楽しんだコンテンツを紹介したいと思いますのでよろしくお願いいたします。