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【CoD:WW2ベータ感想】今作は過去作と何が違うのか

どうも、TRYDERです。

8/26から始まった『CoD:WW2』 ベータをプレイしたので簡単に感想を述べたいと思います。

 

 

では、始まります。

CoD、マンネリの歴史

最初のCoDは2003年に発売された。舞台は第二次世界大戦、当時としては画期的なリニアな映画的演出が功を奏し、多くの賞を受賞する。しかし、ナンバリングが進んでも第二次世界大戦が舞台であり続けたことで段々とマンネリが続いた。

マルチプレイもCoD3ではBFシリーズのようなビークルを用意する工夫もなされたが、やっぱりマンネリ。CoD3もCoD2から変わったことと言えばグラフィックの進歩程度のものだった。

コール オブ デューティー 日本語版 ベストプライスコール オブ デューティー 2 日本語版コール オブ デューティー 3

▲映画的表現とグラフィックで好評を博した第二次世界大戦が舞台の『CoD初期三作』。

革新が起こるのは『CoD4:MW』から。舞台を現代戦にがらりと移し、マルチプレイではお馴染みのPerkシステムやらストリークやらといったCoDマルチの基礎を作った作品で、その高い競技性やグラフィックにFPSファンは熱狂した。

次作の『CoD:WaW(コールオブデューティ ワールドアットウォー)』は日本未発売だが『CoD4:MW』のシステムをそのままに再び舞台を第二次世界大戦に戻す。シングルプレイもゴア表現が過激で、ただの英雄的な物語ではないストーリーテリングが好評を博した。また、今ではお馴染みのゾンビモードも『CoD:WaW』が初

コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェアCall of Duty: World at War Greatest Hits (輸入版)

 ▲現在のCoDマルチの大枠を構築した一作『CoD4』、『CoD4』のゲームエンジンとシステムをベースに開発会社を変えて制作された『CoD:WaW』

その後は『CoD4』の続編である『MW2』、舞台を冷戦に移した『CoD:BO』、『MW2』続編の『MW3』が発売される。ここで再びマンネリがCoDを襲う。ライバルのBFシリーズと同様にひたすら現代戦のFPSが出続けたことで、「もう現代戦は勘弁」という風潮が共有されていった。

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 ▲『CoD4』の好評を受けて制作された『MW2』、『CoD:WaW』の開発会社が制作した『CoD:BO』、現代戦ブーム末期に制作された『MW3』

バトルフィールド:バッドカンパニー2バトルフィールド 3バトルフィールド 4

▲ライバルFPS『BFシリーズ』。現代戦ブームということが分かる。

 

そこで、導き出した答えが未来。『CoD:BO』の冷戦の雰囲気はどこへやら『CoD:BO2』はSF的近未来の世界で架空の銃を使って戦うのである。次々作『CoD:AW』はBFシリーズを作るライバル会社の別タイトル『Titanfall』を意識してか2段ジャンプを導入。『CoD:BO3』では壁走り・ジェットパックを導入し、CoDはどこへ行こうとしているんだ…?」感が強くなった。

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▲舞台を未来に移したCoD

タイタンフォール - Xbox360

▲タイタンフォールは2014年3月発売。CoD:AW、CoD:BO3に先んじて2段ジャンプや壁走りといった要素を備えていた。

一方、ライバルのBFは大胆に第一次世界大戦を舞台としたBF1を製作、高評価を以って受け入れられる。同時期に相も変わらず未来が舞台の『CoD:IW』の発売が発表、一時はトレーラーがYoutube低評価ランキング2位にランクイン。

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▲『CoD:IW』トレーラーの低評価(2017/08/30現在)

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▲『BF1』トレーラーの高評価(2017/08/30現在)

CoD:IW』トレーラーも『BF1』トレーラーも2016年5月公開であることを考えると、FPSプレイヤーは未来戦に飽き飽きしていることが伺える。

そんな反省からの今作、CoD:WWⅡ』は原点回帰を目指して製作されたのですな。

 

CoD:WW2の感想

まず自分はSF寄りの『CoD:BO3』や『CoD:AW』『CoD:IW』よりも、リアル寄りの『CoD4』といったシリーズが好きだと言うことを前提に進める。

結論から言うと、CoD:WW2』は“普通”CoDはナンバリングを重ねてもいつものCoDという一種の懐かしさを感じる堅実な作りだった。

相変わらずSMGが強いし、リスポーンに何かしらの不満はあるし、パーティと非対称マッチさせられて一方的な試合になるし、といったCoDでは定番の不満もありつつ、今作はシステム面でバランス調整の試行錯誤が若干感じられる。

 

システム面の調整

試行錯誤の一つ目は今作一番の特徴である“師団”システムと“基礎トレーニング”システム。これまでは自分の好きなようにPerkを組み合わせる形で、プレイヤーの選択権が大きかった。一方で、例えば「ワンマンデンクロ」のように特定の組み合わせで有利になりすぎるPerkも存在し、そのPerkを持っていないプレイヤーは不利を強いられがち。

 

今作では大枠であるクラス(師団)にスキルが存在し、更にPerkにあたる“基礎トレーニング”を選択する形式になっている。

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SMGに特化した「空挺」を選択。ゲーム進捗によって徐々に追加スキルが解除されていく。

「空挺」の場合、一段階目でSMGにサプレッサー付け替え、二段階目でダッシュ距離増加、三段階目で乗り越え動作が早くなる、四段階目でダッシュスピード増加、五段階目でSMGアンロックといった感じで、SMGでの戦闘に特化している。

 

師団を選んだら次は基礎トレーニング、過去作でのPerkにあたる部分を選ぶ。今作では既にクラス(師団)自体にスキルが設定されているため、Perk(基礎トレーニング)は一つしか選択できない。

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▲過去作プレイヤーにとってはお馴染みのスカベンジャー的なトレーニングも存在する。一つのみの選択のため、非常に悩ましい。

BF(バトルフィールド)やOW(オーバーウォッチ)を意識したのかは定かでは無いが、今作は役割を強調されている印象を受けた。Perkによる差を少なくすることで、プレイヤースキルがより強調されて個人的には嬉しい。願わくば、製品版でも『MW3』のアサシンのような凶悪なPerkが存在しないことを祈りたい。

 

二つ目の試行錯誤はストリーク。今作ではBO2以降標準化したスコアストリークを継承しているが、CoDにおける鍵となるストリーク偵察機が5キル相当である500ポイントに引き上げられた。

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▲スコアストリークの選択画面

その他のスコアストリークも火炎瓶以外は500ポイント以上なので、余程の劣勢でない限りストリークで蹂躙されるといった状況は生じにくいバランス調整が図られているように感じた。

 

ゲームプレイ面での印象

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ゲームプレイ面でもいくつかの変化を感じた。

何よりもスタミナ制の復活。LMGを持って走っているとハァハァ息切れしだすのが何とも懐かしい。加えてダッシュ時に発砲出来ず、ワンテンポ遅れてのモーションになるあたりはリアル寄りのCoDが戻ってきた感じがする。

 

ゲームスピードはSF寄りの『CoD:BO3』などよりは遅い。個人的には『CoD:MW3』くらいのゲームスピードという印象。

マップに関してはベータマップなので何とも言えないが、今回のベータでチョイスされたマップは全体的には小さめ。GibraltarやArdennesといったマップでは真ん中の適切なポイントを抑えられると中々攻め込みづらい。

前述したスタミナ制やダッシュ発砲の不可等の仕様から、『CoD:BO3』のように遊撃する戦い方というよりかはポイントを抑える戦いの方が優位な試合展開が出来ると感じる。ここもリアル寄りCoDと同じ。

 

武器バランスはCoDでは定番のSMGが強く、LMGは戦えないことはないけど見劣りすると言った感じ。SRは『CoD:BO3』のようにエイムアシストが無いという仕様ではないのでクイックショットがし易いと思う。

武器チョイスに関してはこれもまだベータなのでなんとも言えないが、CoD:WaWと比べるとWW1寄りであり、銃剣突撃が加わったことも加味するとBF1を意識したのかなというチョイス。

 

 

まとめ

今作は可もなく不可もなく“ごくごく普通”のCoDに仕上がっている。『CoD4』から入った自分にとって既視感が凄いが、SF寄りのCoDに辟易していた自分には堅実な作りの今作は好感触。

明らかにBFを意識して作られた今作は、SF寄りになる前のCoDを取り戻す意識をひしひしと感じた。CoD1・2・3で舞台になったWW2という題材かつ、地上戦を求めていた従来のCoDプレイヤーにとってはまさしく「原点回帰」に他ならない。(CoD:WaWで実装されたゾンビモード「nazi zombies」と同名で今作でもゾンビモードが実装されたことからも過去作への意識を感じる

 

CoD4』以降、大枠において良い意味でも悪い意味でも変化が無いシリーズだが、問題は次作以降。SF寄りCoDからのCoD:WW2なので大胆な一作のように思えるが、このまま数作重ねれば再びマンネリの声が上がるだろう。その時にCoDブランドがどうなるのかが気になるところ。

 

だが、その前に製品版のリリースが先だ。適切なバランス調整が行われることを期待しつつベータ2週目を遊んで新たな発見に備えたいと思う。