【ゲーム紹介】Dishonored(ディスオナード) HD、Dishonored 2 ~暗殺者への誘いと続編に向けて~
どうも、TRYDERです。
Dishonored(ディスオナード)2の日本語版が12月8日に発売されますので、その前に予習としてDishonored HDをプレイしました。
プラチナトロフィーを取るまで遊び尽くしたので、記事を書いていきたいと思います。
この記事では続編の発売前にDishonored(ディスオナード)の世界観についてと、Dishonored HDについての感想、Dishonored 2の能力や導入部紹介を兼ねた記事となっています。
Dishonored(ディスオナード)とは?魅力は?
Dishonoredはゼニマックスが買収したArkane Studiosによる作品。
同スタジオは過去にダークな世界観で高い評価を得たアークス・ファタリスやDark Messiah of Might and Magicのほか、CoD:WaWのマルチプレイヤーパートやバイオショック2のアニメーション及びレベルデザインなどを過去に行っています。
Dishonoredに登場するダンウォールという街は19世紀のロンドンとエディンバラをモチーフとしており、ダークなスチームパンクと神秘主義とが共存した世界観。
falloutシリーズのように、ジャーナルが各地に配されており、これを読めば、世情や風俗、伝統や謎、登場人物の生い立ちや裏事情などがより理解でき、設定がかなり凝らされていることが伺えます。
▲ダンウォールの一部のロケーション
この世界観を構築したのが、ハーフライフ2の舞台である退廃的な管理都市の「City17」やその他、コンバイン関連の建物等を手掛けたヴィクトル・アントノフ(Viktor Antonov)。
彼は工業デザイナーであり、彼の会社である「ザ・ビルディング」は多くの映画・CM・テレビ・ゲームにデザインを提供しています。彼はスチームパンクスタイルを得意としており、他のFPSゲームで「City17」ステージが作られる程、彼のアートデザインに対する熱狂的ファンは多いのです。
▲City17の様子(City 17 image - Missing Information mod for Half-Life 2 - Mod DBより)。ダンウォールもどこかCity17に似ているように感じます。
Dishonoredの魅力を生み出すのは彼だけではありません。「システムショック」や「デウスエクス」などのサイバーパンクな世界観が特徴の名作ゲームを手がけてきたハーヴェイ・スミス(Harvey Smith)と、Arkane Studiosの創設者でありCEO業務を行いながら「アークス・ファタリス」等のリードデザイナーも手がけていたラファエル・コラントニオ(Raphael Colantonio)がゲームデザイナーとしてクレジットされています。
ファミ通の記事(http://www.famitsu.com/sp/120531_dishonored/arkane.html)によると、彼らは「デウスエクス」と「アークス・ファタリス」を制作している際に意気投合。それぞれ、RPG要素を持ち、没入感のある世界でくり広げられる一人称視点アクションであるという共通点から、新たに二人で新作を作ろうという話になったのがきっかけなのだそう。
また、同記事によると彼らは緻密に構築された世界や、一人称視点アクションを好む理由として、これからのゲームには「ゲームの深み」が要求される時代という考えのもと制作しているようです。
このことはゲームウォッチの記事(http://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/1005996.html)でストーリーテリングにはシングルが最適という趣旨の発言をしていることからも伺えます。
そんな彼らが生み出したゲーム、Dishonored。油絵のようなタッチで構築された工業都市ダンウォールで、復讐を果たすコルヴォの行く末と、巻き込まれる周囲の人々、疫病が流行した原因やこの世界の謎について迫る旅をしてみてはいかがでしょうか。
ストーリーのあらすじ
未知の疫病が流行し、亡国に至りつつあった諸島帝国*1その中でも最大のグリストル島の首都ダンウォール。疫病を食い止めるため、女王の命で他国に協力を要請する旅から帰還した主人公の王室護衛官コルヴォは謁見に向かう。その途中、コルヴォの目前で何者かによって女王が暗殺されてしまう。
コルヴォは摂政伯爵の陰謀によって女王暗殺の濡れ衣を着せられ、処刑寸前まで追い込まれるが、王政支持派の手によって救い出される。
そして、アウトサイダーという善とも悪とも言えない超常的存在によって「能力」が授けられ、様々なガジェットや能力を駆使し、自分をハメた相手に復讐を果たしながら、さらわれた王女エミリーを探すため暗殺者となる。
あらすじはこんな感じ。
コルヴォは暗殺者ですが、プレイヤーのスタイルによって不殺プレイを貫くことも可能。復讐相手を殺さずに鉱山送りにしたり、聖職者を破門にして社会的に抹殺することが出来ます。
この不殺を貫くか殺戮しまくるかというプレイヤーの選択によってローカオス、ハイカオスに分岐します。それぞれグッドエンドとバッドエンドに別れると言ったほうが分かりやすいでしょうか。
▲ローカオス時
▲ハイカオス時
▲ローカオス時 ※書いている絵にも注目
▲ハイカオス時 ※書いている絵にも注目
このように、不殺を貫くことでローカオスでは街に疫病が流行らず、人々もコルヴォに対して好意的な反応を示します。
しかし、殺戮しまくった結果、ハイカオスでは街に疫病が蔓延して至る所でネズミの大群を見かけ、ウィーパー(疫病が進行し自我が無くなったゾンビのような敵)が街に溢れ、人々もコルヴォに対して殺人鬼のような接し方をしてきます。
「ローカオスって不殺なの?面倒」と思う人もいると思いますが、少しは殺してしまっても大丈夫だと思います。要はリザルト画面の“現在のカオス度”が“低”だったらいいので、ダメだったらリトライしてみてください。一度マップを覚えてしまえば2回目は楽だと思います。
▲ミッションデータの“現在のカオス度”が“低”になっているとローカオス
暗殺って?能力って?
このゲームの戦闘では、ナイフor首絞め、最大8つの戦闘用ガジェットと、6つのアクティブ能力(自分のタイミングで使う能力)、4つパッシブ能力(常時発動される身体強化能力)を使って行います。(※不殺プレイの場合、首絞めと麻酔ボルトと非殺傷能力のみ)
心臓は、フィールドに散らばるルーンやボーンチャームを探すのに使います。また気になったものに使うと、背景ストーリーなどを聞けることが出来ます。
▲青色が能力。白色がガジェット
暗殺っていうけどステルスゲーでしょ?難易度高そう……
安心してください。プレイヤーから一番寄せられたのが、「簡単過ぎる」という意見だったと開発者の方が仰っていたように、比較的易しめの難易度です。
ハイカオスになってしまいますが、力押しでごり押しすれば簡単に敵を薙ぎ倒して進めます。
また、ローカオスでクリアしたい方でも、前述した時間停止能力や瞬間移動能力を使えば不殺プレイも容易というようなバランスになっています。
このゲームは幾通りもの侵入ルートを自分で考えて攻略していけるゲームです。能力で見つからずに瞬間移動も可能ですので、ステルスゲームに苦手意識を持っている方にはステルスの楽しさを味わう事ができる最適なゲームなのではないでしょうか。
▲このようにルートは沢山ある。サイドミッションをクリアしたら鍵を貰えることもあり、より警備が手薄なルート開拓が可能
Dishonoredはどのハードがオススメ?違いは?
このゲームはPC/PS3/Xbox360/PS4/XboxONEで発売されていますが、数多くの問題点があります。それをクリアしてくれたのがDishonored HDなのです。
PC版における問題点(Dishonored)
日本語に対応していない。現状、MODでしか日本語化出来ず、DLCまで翻訳作業が終了していないため、PCの知識がない人やDLCまでやり込みたい人は避けるべき。
PS3/Xbox360における問題点(Dishonored)
バグが多い。このゲームが評価を落とした理由の一つにバグの多さやフリーズが多発することが挙げられる。
PS4/XboxONE(Dishonored HD)をオススメするワケ
バグは殆どが解消され、しかもDLC含め日本語翻訳済み。加えて日本語吹替であり、ノーマル版と比べて画質も向上している。DLC3種もあらかじめ収録されていることから、Dishonoredの世界をしっかり堪能したいなら間違い無くDishonored HDを買うべき。
Dishonored 2はどんなストーリー? 前作との繋がりは? 能力は?
・ストーリー
Dishonored 2は前作のローカオスクリア後の続きです。エミリーが女王となり、コルヴォが再び女王を支えて新王政が始まった後という舞台設定。年数的には1作目から15年後という設定です。
導入部はこんな感じ。
ジェサミン・カルドウィン女王の暗殺記念式典に赴いたサーコノス島のデリラ・カッパースプーン(前作DLCで登場)は自分が正統後継者であると主張し、エミリーの王室護衛官たちを襲撃。デリラと共にいたデューク・ルカ・アベルによってコルヴォは制圧されてしまう。王座を奪われたエミリー達はこの者達に立ち向かうため行動を起こす。
アウトサイダーという存在の秘密を探求するというのがDishonored 2の本筋になるようですね。前作との関連として前作DLCに登場する魔女、デリラ・カッパースプーンなどが物語のキーマンとして登場するなどの関連性があります。
前作をプレイするべきかどうかは悩みどころ。どちらかと言うと前作DLCと深い関連がありそうです。DLCをプレイするには本編をクリアする必要があるので結果的に結構な時間かかってしまいますね。
しかし、15年後という設定ですので、Dishonored 2から遊びたいという人でも分かるようになっていると思います。
ですが、せっかくPS4/XboxONEで前作が出ていますので、プレイ後にでもDishonored HDを遊んでみてはいかがでしょうか。
・世界観
舞台はサーコノス島南端の首都、カルナカ。サーコノス島は主人公コルヴォや前作で登場したダウドの出身地でもあります。
▲諸島帝国全図。(Empire of the Isles | Dishonored Wiki | Fandom powered by Wikia
より)真ん中のグリストル島南端の首都ダンウォールがDishonoredの舞台。Dishonored 2では諸島帝国の中でも一番下のサーコノス島南端の首都カルナカが舞台となる。
カルナカは貴族たちの保養所としても人気が高く、バルセロナからリヴィエラにかけた地中海地方や、ギリシャ、イタリア、スペインのような南ヨーロッパをモチーフとしているようです。
・能力
今回、特徴的なのは2人のプレイヤーキャラのうちどちらかを選んで操作できるという点。しかもキャラ固有の能力と共通の能力合わせて17種類あるものを駆使して攻略していくという点も見逃せません。
更に今作では、Dishonoredをやり込んだプレイヤーが抱くであろう「能力使ったらヌルゲー過ぎない?」という不満にもバッチリ対応。能力を一切使えないモードが実装されているようです。
コルヴォ(アクティブパワー)
・ブリンク:前作でもお馴染みのテレポート能力。狙いを定めている間、時間を停止させたり、ブリンクが終わる時に敵を地面に投げつけることが可能に。
・ベンドタイム:前作と同じく時間停止能力。
・ダークビジョン:前作と同じく壁の向こう側を見通す能力。敵の巡回ルートを視覚化することが可能に。
・ラットスワーム:前作と同じくネズミを召喚し、敵を襲わせる能力。
・ポゼッション:前作と同じく動物や人間に憑依する能力。
エミリー(アクティブパワー)
・ファーリーチ:手繰り寄せる能力。コルヴォのブリンクに似ているが、テレポート能力ではない。移動する際は自分を引っ張ったり、また、瓶などのオブジェクトを手元に引き寄せることも出来る。敵を手元に引き寄せて、刺し殺すなど応用的な使い方が出来る。
▲ファーリーチの使う場所の狙いを定めている様子(Image - Dishonored 2 far reach01.png | Dishonored Wiki | Fandom powered by Wikiaより)
▲ファーリーチを使って敵兵を手繰り寄せて刺殺している様子(Image - Far-reach,-gameplay-trailer.gif | Dishonored Wiki | Fandom powered by Wikiaより)
・メスメライズ:クリスタルのような物体を召喚し、周囲にいる敵兵士や犬の意識を奪うことが出来る能力。つまり、これを設置して、敵の意識が混濁している間に敵の横を通り抜けることが可能。
▲中央の結晶体がメスメライズによって召喚された物体。周囲の兵士が意識を奪われていることが分かる。(Image - Dishonored2 Mesmerize.png | Dishonored Wiki | Fandom powered by Wikiaより)
・ドミノ:ある一つ対象者と他の対象者を紐付けして同じ運命を辿らせることが出来る能力。例えば、結ばれた先端の一人を刺したら、他の対象者も刺されるということ。要するに運命共同体。
▲対象者と他の対象者が結ばれている様子。V字の先端の対象者と同じ運命を他の対象者も辿る。(Image - Domino in action.png | Dishonored Wiki | Fandom powered by Wikiaより)
・シャドウウォーク:エミリー自身が影になって這い寄り、肉体に戻る前に一人を無力化か殺傷することが出来る能力。ステルス状態というわけではなく相手に気づかれる。コルヴォのポゼッションのようなものであり、アップグレードでラットトンネルを通ったり、更に無力化及び殺傷できる人数が増える。
▲這い寄っている様子(Image - ShadWal1.gif | Dishonored Wiki | Fandom powered by Wikiaより)
・ドッペルゲンガー:ドッペルゲンガーはエミリーと瓜二つの影を召喚する能力。敵を引きつけられるほか、ドミノと併用すれば、ドッペルゲンガーのエミリーを刺すと他に紐付けされた対象者を刺すという使い方も可能。
共通(パッシブパワー)
・アジリティ:前作と同じく高く飛べ、落下ダメージが少なくなる。
・ブラッドサースティ:前作と同じくアドレナリンを溜めて一撃必殺攻撃を繰り出せる。
・バイタリティ:前作と同じく体力の最大値が上がり、エリクサーの回復量が多くなる。
・シャドウキル:前作と同じく敵を殺害したら死体を跡形もなく消す。
・リフレクシーズ:タイミングよくブロックすれば矢を弾いたり、兵士に向かって矢を反射したりすることが出来る。
・ボーンチャームクラフティング:ボーンチャームを作ることが出来る。強化することでグレードの高いボーンチャームを作成した際に破損する確率を下げたり、クジラの骨でルーンを作ったりすることが出来る。
・ストレングス:より遠くに物を投げたり、物を兵士に投擲して気絶させたり、木の扉を剣で破壊することが可能になる。
・ハード
今回はPC版も日本語対応するというアナウンスがされているので、PS4/XboxONE/PCどれでも大丈夫だと思います。しかし、念のためPC版を購入する場合、リリース後に日本語対応されているかを確認してから購入してください。
あとがき
Dishonoredは設定が練られているだけに、想像の余地が多分にあるのですが、日本でそういったコミュニティがあまり無いのは悲しいですね。
リードナラティブデザイナー*2の方は「設定に深みを与えて、小物としてゲーム内に配置することでファンが新たに世界を構築するコミュニティが出来ることに満足している」と発言していることからも、その狙いがあるように思えるのですが日本では洋ゲーの世界観を語るコミュニティや文化というのが、falloutにせよウィッチャーにせよほとんど無いのがネックです。
海外ではwikiに知らないストーリーが出来上がっており、リードナラティブデザイナーのもとにこれは本当の話かどうか聞きに行くという逸話がある程ファンコミュニティが盛り上がっています。
そういった楽しみ方をしない人でも、能力を使って戦うという単純な戦い方でも楽しめると思いますし、何より続編がもうすぐ出るのでむしろ今が一番オススメです。
持ち上げすぎてもアレなので、気に入らない点を挙げるとすれば、主人公は暗殺者と謳っておきながらトゥルーエンドとも言うべきローカオスエンドに向けて不殺プレイが強いられる点と、不殺プレイをするためのガジェットが全然無いという点ですね。
これらが我慢できない方はDishonored 2からやるのも手かと。このゲーム、オススメです。
ソース
[E3 2016]「Dishonored 2」開発者インタビュー。アートと物語の観点から作り込みについて聞いてきた - 4Gamer.net
【インタビュー】「Dishonored 2」クリエイティブディレクターHarvey Smith氏インタビュー - GAME Watch
Dishonored Wiki | Fandom powered by Wikia(英語)