TRYDERの一週一雑

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【戦ヴァル4発売直前】今こそ戦場のヴァルキュリアシリーズを振り返ろう

どうも、記事執筆スランプ気味のTRYDERです。

 

今回は『戦場のヴァルキュリア4』の発売が目前に迫る(3月21日発売)ということで、戦場のヴァルキュリアシリーズファンボーイの僕がこれまでのナンバリングタイトルがどのようなゲームだったのかを振り返って説明したいと思います。

戦場のヴァルキュリア4 【初回特典】追加ミッションDLC「先行特別作戦」プロダクトコード 同梱 - PS4

思えば、自分の中で『戦場のヴァルキュリア』というIP(知的財産)は完全に終わったと思っていました。

 

初代『戦場のヴァルキュリア』が2008年発売。最後のナンバリングタイトル『戦場のヴァルキュリア3』が2011年。以降はソーシャルゲーム戦場のヴァルキュリアDUEL』が2012年から2015年まで続き、『戦場のヴァルキュリア』の制作チームは『ワールドエンドエクリプス』というソーシャルゲーム開発へ移行、“ヴァルキュリア”の名を冠した2017年の新作である『蒼き革命のヴァルキュリア』はもはや別のゲームと化しており、「SEGAは『戦場のヴァルキュリア』というIPを完全に見放してしまったのか」と思ったものです。

 

そして、ついに。念願のという言葉では語り尽くせないほどにようやく。正統続編『戦場のヴァルキュリア4』が、しかも据置機向けということで直接のナンバリングタイトルから数えると7年振りに発売します。

ただひたすらに嬉しかったです。カウントダウンサイトがリリースされた当初は「どうせスマホタイトルかコラボの発表なんだろうな」と思っていただけに尚更。

 

さて、今回はそんな『戦場のヴァルキュリアシリーズ』を振り返っていきましょう。

※尚、戦場のヴァルキュリアDUEL及び蒼き革命のヴァルキュリアは扱いません

 

戦場のヴァルキュリアPS3PS4/2008)

戦場のヴァルキュリア リマスター 新価格版 - PS4

征暦1935年。ヨーロッパは二つの大国によって分断されていた。

 

すなわち、皇帝を頂点とした専制君主国家、東ヨーロッパ帝国連合(通称『帝国』)と、王政を廃した共和国国家の連合体、大西洋連邦機構(通称『連邦』)である。鉱物資源・ラグナイトをめぐり勢力争いをはじめる両国は、ついに開戦。大陸は戦争の炎に包まれることとなった。第二次ヨーロッパ大戦(E.W.Ⅱ)の勃発である。圧倒的な戦力を誇る帝国軍は次々と国境を越え、侵攻を開始。その矛先は、連邦のみならず周辺諸国へも向けられた。

 

ガリア公国。帝国と連邦の中間に位置し、武装中立を国是とする自然豊かな小国家である。しかし、その豊富なラグナイト資源を奪わんとする帝国は、ガリア公国に宣戦を布告。雪崩を打ってその領内へと進撃を開始した。

 

(「戦場のヴァルキュリア」プロローグムービーより) 

サクラ大戦』『エターナルアルカディア』を制作した旧セガAM7研のチームはドラマ性のあるゲーム作りが得意なチームであり、彼らもまた兼ねてよりドラマ性とは何かを思い描いてきた。ドラマとは「絆」、それが最も強く発揮される場面は命がけのシチュエーションであるという結論をもとに作られたのが『戦場のヴァルキュリア』だ*1。表現をリアル路線にするのか悩んだものの、四肢が吹き飛んだりする表現では感情移入をさせつつ希望を見出すストーリーは描けないと判断し、アニメ調になったのだという*2

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チーフプロデューサーの西野氏は『サクラ大戦』を制作する中でドラマやキャラクターを描きやすいジャンルは“シミュレーション”であると実感していたのだとITメディアのインタビュー内で語った。しかし、ターン制のシミュレーションRPGでは敵に接近して攻撃というプロセスを経るため全く戦争している感じが湧かず、銃弾が飛び交う中を土嚢に隠れながら移動する体験が必要だと実感した、とプロデューサーの野中氏はGAMEWATCHのインタビューで語る。こういった着想から生まれたのが“迎撃システム”と“BLiTZ(Battle of Live Tactical Zone systems)”である。

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▲頭から伸びる黄色い線は敵から発見されていることを示す索敵ライン。つまり線の数だけ敵がいる。“迎撃システム”によって無数に飛んでくる弾の中を勇気を持って駆け抜けなければならないのだ。

従来のSRPGのコマンド行動をアクションにしてしまうという革新的アイデアはギネスワールドレコードをして「PS3におけるベストSRPG」と言わしめた。しかし、その表現に相違ないゲームデザインで、疑いの余地もなくSRPG史に刻まれる一作だろう。“BLiTZ”というコアメカニクス戦ヴァルアイデンティティであり、後続作においてもこの部分は殆どいじられず継承されている。

“BLiTZ”もさることながら戦場のヴァルキュリアに個性を与えているのは“CANVAS”という描画システムと漫画的擬音表現だ。水彩画のような優しいタッチで人・物・景色が描かれ、影が斜線で描かれたり、色むらのある独特な作風を作り出している。また、銃を撃ったら「ダダダダダ」、敵が動いたら「ザッザッザッ」などの漫画的な擬音が画面で表現され、バンドデシネと漫画が組み合わさったような表現は不思議と「戦ヴァルはこれ以外の演出が考えられない」と思わせるほどにマッチしているのだ。

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▲周りのフレームが鉛筆画のような表現も特徴

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▲影の表現に注目。斜線が入っていることが分かるだろう。この手書き感が“CANVAS”ならでは

本作のストーリーは先述のプロローグから分かる通り、帝国に蹂躙されるはずのガリアを勝利に至らしめた部隊「第7小隊」の活躍を描く戦記物語。主人公のウェルキン・ギュンター、ヒロインのアリシア・メルキオットと個性豊かな第7小隊の面々を中心に物語は運ぶ。はじめは若輩の隊長、ウェルキンに対して古参兵たちから突き上げを受けたりと一枚岩とはいかなかったが、ウェルキンが実力を示すとともに隊は家族のように結束し、帝国の司令官を破竹の勢いで破っていくというのがストーリーライン。

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ゲームプレイではまさしく意図された戦場の体験が待っている。後続作では携帯機に移行したため、広大かつ起伏に富んだ戦場級のマップでBLiTZを堪能できる作品は初代、そして4のみ。初代では橋・要塞・森林・砂漠・古代遺跡・海岸線とストーリーが進むごとに舞台を移し、敵の虚を突くために別ルートの屋上から狙撃したり、ステージギミックのエレベーターを使って回り込んだり、と空間の概念を取り入れた多岐に渡る攻略ルートは広大なマップを誇る初代ならでは。

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▲バリアス砂漠。これでも小さい方である

難易度も後続作に比べてややハード。ユニットは死亡すればそのままロストするし、ゲームプレイにおいても広大なマップが故、後半になればなるほど効果的にユニットを投入しなければ強固な守りを打ち破ることが出来ないハードな設定になっている。きっちりしたコンセプトのもとで、合理的にゲームデザインが行われた結果、高いレベルで纏まった唯一無二のゲームに仕上がっている。

 

 

戦場のヴァルキュリア2 ガリア王士官学校PSP/2010)

戦場のヴァルキュリア 2 ガリア王立士官学校 - PSP

征暦1937年。ガリア公国。

 

先の戦いの傷も癒えぬままガリアは新たな火種を抱えていた。帝国との休戦協定締結直後、大公に即位したコーデリア・ギ・ランドグリーズは自らがダルクス人であることを公表した。

誠意ある姿勢を国民の大半は支持したものの――反ダルクス派の貴族たちは「ガリア革命軍」を結成し武装蜂起。俗に反乱軍と呼ばれた彼らは――ダルクス人粛清を掲げると南部ガリアを中心に急速に勢力を拡大していった。

 

(「戦場のヴァルキュリア2」プロローグムービーより)

2009年4月に始まったアニメ「戦場のヴァルキュリア」が終了して間もなく。視聴者、そして前作プレイヤーが「戦場のヴァルキュリア」を忘れないうちにというマーケティング的な意図のもと、PS3より開発が容易なPSPにハードを移してリリースされたのが、この『戦場のヴァルキュリア2』だ*3

初代とはうって変わってコミカルな描写が多く、戦争というよりは士官学校を中心とした学園ドラマという趣きが強い。作風の大胆な変化の理由は、初代プレイヤー層の95%が「年齢層が高めの男性」であるという結果から新規層の開拓を図ったことに起因したものだった*4

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▲初代の緊迫した戦時下と打って変わってコミカルな描写が多め

戦場のヴァルキュリア2で強化されたのはユニットである“キャラクターの深掘り”、“やりこみ・収集要素・育成要素”といったRPG部分。一方、前作からスケールダウンしたのはハード性能上の制約から“CANVASのオミット及びグラフィックの劣化”と“マップ分割と縮小”、“難易度の低下”という主にグラフィックとシミュレーション部分。

初代ファンからは賛否両論であった。スケールダウンした点に加えて、“武器作成に要する素材”や“上位兵科に要する単位”等収集要素が作戦のランダム報酬であったためゲームプレイに作業感が付き纏ったからである。

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▲兵科の変更には“単位”が、兵器の開発には“素材”が必要。ランダム報酬のためその作業感を批判する声も多い

シリーズファンには欠点がクローズアップされがちな戦ヴァル2だが、意欲的な点も多い。

1点目はキャラクターの深掘り。これも戦ヴァル2のテーマだったのだという*5

学園ドラマということから分かるようにユニットであるクラスメイトの深掘りが行われ、個々のキャラクターとのサブイベントがクラスメイトミッションという形で追加。初代では一部キャラを除き、人物総覧と呼ばれるテキストデータでしか扱われなかったものが本格的にゲームプレイに取り入れられて好評を博し、戦場のヴァルキュリア3及び4では断章という形で引き継がれた。

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▲ことあるごとに張り合いたがるピートのクラスメイトミッション。こんな具合に全クラスメイト約40人分ある。

2点目は兵科の拡充。シリーズの特徴として兵科と呼ばれるジョブのようなものを育てていくと上級兵科にクラスアップする。

初代ではベースとなる5兵科から10兵種へ派生していたものが、戦ヴァル2では5兵科35兵種へと大幅に増加。大剣で敵を攻撃する剣甲兵や、味方に性能アップの効果を付与する楽奏兵などユニークな兵科が数多いのも特徴。3や4では削除されたものも多く、マップが縮小した分兵科の拡充を図ることで攻略の幅に広がりを持たせた戦ヴァル2ならではといえる。

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▲大剣を振り回すユニークな兵科、剣甲兵

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▲1兵科につき7兵種。前作より大幅に増えた。

他にも、兵士を運搬できる装甲車の追加、攻略ルートを増やす戦車の装備、ポテンシャルの発動率が増減するモラル値の導入、オーダーの必要CP調整、などなどマップがこじんまりとした分だけ様々なバランス調整が施されており、PSPにおけるSRPGとしての完成度は随一。海外メディアIGNでは9点を獲得しているし、海外レビューサイトMetacriticではメタスコアが83点と概ね好評を得ている。

 

 

戦場のヴァルキュリア3PSP/2011)

戦場のヴァルキュリア3 EXTRA EDITION - PSP

(前略)

のちに「ガリア戦役」と呼ばれる戦いの始まりである。この戦いは祖国を守らんと集った義勇兵たちの活躍によりガリア公国の勝利で終結した。しかし、その裏にもうひとつ救国の部隊がいたことは誰も知らない。

 

ガリア正規軍422部隊、通称ネームレス。懲罰対象者や犯罪者などを集めたガリア軍で最も過酷な任務を与えられる部隊。この部隊がガリア公国の存亡に大きな影響を与えることをまだ誰も知らない。いや、あるいはNo.7、クルト・アーヴィングただひとりが、それを知っていただろうか。

 

(「戦場のヴァルキュリア3」第1章ムービーより)

戦場のヴァルキュリア2』発売から1年後の2011年。戦場のヴァルキュリア“らしさ”を追求し直して再びPSPでリリースされたのが『戦場のヴァルキュリア3』だ。*6PSPのメインユーザー層である10代へ向けてコミカルな作風へ舵を切った前作であったが、戦ヴァル3では再びハードな戦記モノへと転換。無実の反逆罪で懲罰部隊へ送られたクルト・アーヴィングを中心とした、ガリアを勝利に導いた影の英雄である無名の部隊を描いた物語だ。本作ではシリーズの再考が念頭に置かれて制作され、世界設定の深化、戦ヴァル2のスリム化&ブラッシュアップという点が意識されて制作されている。

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▲無実の罪で懲罰部隊へ送られた主人公クルト。最低の場所(422部隊)からしか見えない真実がある。

特にストーリーの進化が顕著で初代や2で広げた大風呂敷の皺を整えるように設定の掘り下げが行われている。過去作シリーズキャラクターとの絡みも多く、前作までの設定を更にフォローアップ。

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▲初代の第7小隊はもちろん、2のアバン・コゼット・ゼリなどとの絡みもある。

また、章ごとにガリア戦役の戦況がムービーで挿入、帝国陣営やガリア上層部での権謀術数が渦巻く状況が描写されるなどミリタリーのテリングが大幅に強化。最終的にダーティな役回りが422部隊へと巡り、捨て駒・民間人偽装・毒ガス兵器使用といった作戦を強いられ、隊内の葛藤・戦争が生み出す倫理観の欠如・被差別人種ダルクス人のアイデンティティといったテーマが交錯する展開は見事だ。個人的には、こういった逆境続きの中で生まれる団結や打開を主軸においたストーリーテリングは初代に匹敵する面白さだと思う。f:id:TRYDER:20180305221616j:plain

▲プロローグムービーでは戦況の推移が詳細に語られる

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国際法違反の汚れ仕事は全て422部隊に。ガリア軍の腐敗と、戦争がもたらすモラルハザードを描く

また、ゲームプレイに関しても戦ヴァル2の良い部分を伸ばしたという具合。

素材や単位といった収集要素の廃止、初期8兵科で育成ツリー各1本のみ、と全体的にスリム化が施されており、遊びやすさが格段に向上。前作からの使い回しマップは目立つものの、戦ヴァル3からの新規追加マップは前作よりも広大。敵の火力も上がったことで、無闇に突っ込むことが出来なくなるなど難易度も上昇した。

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▲マスターテーブルの導入によって一つのキャラを複数兵科で育てるメリットも。複数の兵科を育てることでより上位の強力なポテンシャルを獲得できる。兵科変更に単位が必要なくなったので、より遊びやすくなった。

戦ヴァル3での新要素は「特殊化」。CP(コマンドポイント)、AP(アクションポイント)に次ぐ第3のポイント“SP”(スペシャルポイント)が追加され、SPを消費することでいわゆる必殺技のようなものが使えるようになった。尚、作戦中にSPは回復せず使用可能回数は決められている。使用可能なキャラクターはクルト・リエラ・イムカ(及びヴァルキュリアの面々)のメインキャラクター3人のみで、その効果は強力なものだ。

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▲コマンドモードで△ボタンを押すことで特殊化が可能。その際には左上のSPを消費する。アイコンの数しか作戦中に使うことができない上に回復しないので注意して使いたい。

クルトの「特殊化」は“直接指揮”、クルトの他に2人まで一緒に移動することが出来るというもので、戦ヴァル4にも採用されていることが体験版で確認できた。リエラの「特殊化」は“ヴァルキュリア”、ヴァルキュリア化している間は敵の攻撃を無効化し、攻撃力の高い光線を放つことが出来る。イムカの「特殊化」は“武装解放”、画面内にいる複数の敵全てに攻撃を加えるというもので、自分の場合は作中で最も使用した特殊化である。

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▲クルトの特殊化「直接指揮」

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▲リエラの特殊化「ヴァルキュリア

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▲イムカの特殊化「武装解放」

前作に存在した通信機能をオミットしたことでメモリに空きができ、グラフィックの向上やマップの拡張を果たした本作は“戦場のヴァルキュリアらしさ”を追求。シリーズ作品を補完する重厚なストーリーテーマを獲得するとともに一人プレイ特化させた。難易度も上がってやり応えも向上、戦ヴァル2の反省点を上手く昇華させた良作である。因みに海外では前作の売上が芳しくなく、未発売である。

 

まとめ―戦場のヴァルキュリアの魅力とは

魅力その①―戦闘システム“BLiTZ” 

SRPGとアクションを織り交ぜたBLiTZシステムはSRPGの持つ小難しさを希釈しながら、SRPGの持つ面白味を最大限表現していた。BLiTZの要点を抑えよう。

 

ゲームはSRPGらしくターン制で進行する。ターン中はCP(コマンドポイント)を消費して味方ユニットを動かしたり、味方ユニットの性能を強化したり、増援を呼ぶことが出来る。このコマンドモードではマップ画面を見ながら、攻略ルートを想定。行動指針が定まったらユニットを選択してアクションモードへ移行、アクションモードではユニットの移動にAP(アクションポイント)という行動可能ゲージを消費し、これが行動可能範囲となっている。ユニットの特徴を生かしながら、敵を排除したり陣地を占領して敵の増援を食い止めてクリア条件を満たすというのが、BLiTZのゲームフローだ。

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▲コマンドモードでじっくり考えて…

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▲アクションモードで銃火を潜り抜けながら攻める

通常のSRPGと異なるのが迎撃システム。敵ユニットの射程に入るとこちらを攻撃してくるので迎撃を想定した攻略を求められる。攻略ルートはいくつも存在し、ステージギミックを用いて敵の背後に回り込んだり、敵兵に対する戦力投入のマネジメントを考えたりというプロセスが楽しい。

 

魅力その②―煩雑すぎない育成要素 

SRPGらしく育成要素も存在。育成はユニット毎では無く、偵察兵・突撃兵・対戦車兵・援護兵・狙撃兵といった兵科毎で行う。個々のパラメータを隅々まで見なくて済むこのシステムもSRPGライト層にはうってつけだ。戦車をカスタマイズしたり、装備品を変えて長所を伸ばしてやったり、二つ名付きの敵を倒すと手に入る強力な鹵獲武器を装備させたり、という点もRPGライク。

 

このようにパラメータ管理もシビアでないので、これらを疎かにしてもユニットの育成さえしっかりすればクリア出来る丁度いい難易度も人気とは言い難いSRPGへの門戸を万人に開いた良調整だった。

 

魅力その③―アート面

音楽は崎元仁氏によるオーケストラテイストの勇猛果敢な音楽が鳴り響き、軍楽隊によるマーチとは趣きが異なるのだが何故か軍楽っぽく、またプレイヤーを鼓舞してくれる。

 

1と3は「エースコンバット」や「機動戦士ガンダム」のような戦局を変えた一部隊にフォーカスした戦記モノといったテリング。幕間で部隊内のゴタゴタ、キャラ同士の掛け合い、敵側の策謀だとかが語られてその緩急もまた魅力。2はイレギュラーなシナリオで、1や3に比べると劣っているとは思うが学園ドラマとしては悪くない。

 

ただミリタリー一辺倒ではなく強大な能力を持つヴァルキュリアというファンタジーを登場させることで力への葛藤や、ヴァルキュリアを巡る権謀術数が展開される。ファンタジーの中にも、被差別民族ダルクス人というリアルが存在しており、虚実入り交じった世界観はロマンもあり考えさせられもする。

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こういったテリングできちんと練られた世界観や深掘りされたキャラ設定は、ゲームへの関心をぐっと高めるし、兵士をただの駒としてではなくキャラクターとしてのロールを与えるのに一役買っている。そこに司令官としてのプレイヤーが人間としての兵士を大切にする動機が産まれるわけだ。これらの魅力は全シリーズ通して変わらない。