TRYDERの一週一雑

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ウィッチャーを産んだデベロッパー CD Projekt REDとは!? 第4回【世界のCD Projekt REDへ―ウィッチャー2、3の成功とCyberpunk 2077へ…】

あいさつ

どうも、TRYDERです。

この記事は前回の続きです。そちらから読むのをおすすめします。

1zatsu.hatenablog.com

 

 

今回でCD Projekt REDのシリーズは最終回となります。

 

当初、前後編のものが4回に渡ってしまいました。

それほど、ストーリーが多いデベロッパーです。

 

これを期に、CD Projekt REDのゲームに注目して欲しいと思います。

現在、新タイトルであるCyberpunk 2077を鋭意製作中とのこと。

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今後の動向も気になるデベロッパーですね。

 

それでは、始めたいと思います。

0.CD Projektを襲った金融危機

The Witcher: Rise of the White Wolfの失敗により苦境に立たされたCD Projektは、Witcher 3の計画を破棄した。

 

その代わりに、Witcher 3に使用する予定だったゲームエンジンはWitcher 2を制作するために開発が続けられた。

ゲームエンジンが完成していないWitcher 2開発の序盤は試作もテストも無く、手探り状態であった。

 

やがて、世界金融危機が訪れる。それはCD Projektをも襲い、マルチンのキャリアが終わるかもしれない恐ろしい瞬間であった。この間は絶え間なく緊張状態が続いていた。

 

印象的だった出来事は、この危機的な状況ですらパブリッシャーと簡単に契約することをマルチンが拒否したことだった。

それは彼が最も大切にしていた作品のクオリティを危険に晒す行為だったからだ。

 

例えば、The Wicher 1ではパブリッシャーのアタリとの契約に6ヶ月を要した。これは契約が正当なものではなかったから。

他のスタジオではパブリッシャーに屈してしまうだろう。しかし、マルチンはそういった状況でも冷静さを保っていたのだ。

 

 

1.The Wicher 2のリリース 

ゲームエンジンを作りながらゲームを作るという野心的な試みであったにもかかわらず、Witcher 2は前作の半分の時間(3年半)で作られた。そのため、いくらかの要素を削らなければならなかった。

 

Witcherの世界では汚れた存在として扱われるエルフの土地、「花の谷」もカットされた。それは素晴らしいプロットを持っていたが、開発チームは時間を使い果たしていたので、第三章すらも短縮せざるを得なかった。

 

こうしてThe Witcher 1を大幅に改良し、The Witcher 2は2011年5月リリースされた。

このThe Witcher 2によってCD Projekt REDは一大デベロッパーへとのし上がった

 

その理由は単純で、描写や物語の面において競合となる他のゲームが無かったのだ。

 

つまり、プレイヤーをプレイヤーとして扱わず、一人の大人として扱う方法をとっていた。プレイヤーがゲーム内で過ちを犯すと、物語上で報いを受ける展開や受けない展開などを自由に選択できるようになっている。

 

更に、このゲームはCD Projekt RED独自REDエンジンで作られ、最終的には1年後にXbox360上で同社が抱き続けていたコンソールへの展開という野望を達成する。

(ちなみにCD Projekt REDはPS3で展開するノウハウが無く、Xbox360PS3の両方に向けて開発する余裕もなかったことから、PSハード上の展開はウィッチャー3まで待つこととなる。)

 【歴代ゲラルト比較】―REDエンジンの進化

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Bioware社のAuroraエンジンで作られたゲラルト

(The Witcher 1)

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▲CD Projekt REDが開発したREDエンジンで作られたゲラルト

 (The Wicher 2)

4gamer記事より画像転載

4Gamer.net ― 主人公による汚い裏切りや濡れ場が待つ,大人のRPG。「ウィッチャー2 王の暗殺者【完全日本語版】」をレビュー。多様に変化するストーリーの中で,どの道を選ぶのか

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CD Projekt REDが開発したREDエンジン3で作られたゲラルト

 (The Witcher 3)

公式ローンチゲームトレーラーより

PS4/Xbox One ウィッチャー3 ワイルドハント ローンチゲームプレイトレーラー - YouTube

ウィッチャーからウィッチャー2、ウィッチャー3への進化の凄さはプレイしてみるとよく分かります。

 

特にREDエンジン3では、モーションキャプチャーをしなくともボイスラインから自動でグラフィックを生成するプログラムが組み込まれているため、どの言語でも音声と口元が合っているという最先端の技術に仕上がっています。

 

しかもグラフィック面だけでなく、ゲーム性も2乗3乗とハイクオリティになっていくことからクオリティへのこだわりとユーザーが求めているものを追求しています。

 

グウェントなどはその最たるものでしょう。土壇場でグウェントという要素を入れようと思い至り、アートディレクターに正気じゃないと言われたとか。しかしその結果、単体でもクオリティの高いゲーム内ゲームとして仕上がり、カードというコレクト要素としてもゲームを彩っています。

 

2.The Witcher 3開発へ

  • リリースに向けて

2012年春、難しい決断に迫られていた。

誰もが次世代コンソールゲーム機を知る前、「自分たちが次世代機で何をするか」という議論があったのだ。

 

かなり早い段階で結論は出ていた。「巨大なスケールで、人々がCD Projekt REDに期待するような素晴らしい物語とともに、彼らを驚かすようなクオリティグラフィックを両立したオープンワールドゲーム*1」に決まっていた。

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ウィッチャー3ロケーションマップ(相当広いことが分かる)

 Witcher 3 Interactive Map - Velen & Novigradより

 

 

マルチンは述べる。

僕たちは多くを犠牲にしてウィッチャー2.5と呼ぶべきものを作ったけど、それは無茶だった。旧世代機ではやりたいこと全てを詰め込むことが出来なかったんだ。

 

振り返ると、ウィッチャー2.5の開発を中止したのは勇気ある決断であった。スタジオ全体が「No!」となっていたからだ。

 

純粋な商業的視点に立ってみると、5つ全てのゲーム機(PC,Xbox360,Xbox ONE,PS3,PS4)で出すのがベストだったが、そんなゲームを作ることは出来なかっただろう。

もし作ったとしても、それはもはや別のゲームであり、自分たちの作りたかったゲームではなかったからだ。

 

だから、初めてのマルチプラットフォーム開発と、過小評価すべきではないサイズの巨大なオープンワールドゲームへの試みに向けてCD Projekt REDはもう一度高みを目指した。

 

これまで見てきた多くの問題は、ごく一部である。まだ他にも問題があった。

 

マルチンは言いにくそうに語った。

「それは簡単な話で一般的なものなんだ。ゲーム制作と同時に、ゲームに関わる全ての脚本制作していた。

しかし、ゲームは全体の90%が未だ終わっていない状況だった。にもかかわらず全体の脚本作業は進行しなければいけない状況だったんだ」

 

こうした問題を乗り越え、Witcher 3は2015年5月にリリースされ、今ではあらゆる賞を受賞されるまでに至っている。

 

Witcher 3はWitcher 2と同じく3年半で作られた。

 

今日では、Wicher 3は実質的に自己資本で作られている。

それは、収入の大部分が直接、CD Projektに入ることを意味している。

 

そもそも、このプロジェクトは150人程度のメンバーで始まったが、年末には250人に増えていた。3年半という開発期間で生じる人件費は相当なものだが、そのコスト面の努力にマルチンは言及したがらない。このことは投資が有意義なものであることを示唆している。

 

このように何百ものメンバーで独立したゲーム開発会社において、大規模タイトルを開発するリスクは明確で、発売したゲームは必ず成功しなければならないものである。

 

プレイヤーから時間とお金を取る下地が出来ているベセスダ、ロックスター、UBIソフトなどのオープンワールドゲームと競う場合、この戦いに勝つには尚更、Witcher 3に最高のチャンスを与えることが重要である。

 

マルチンは競争に勝つには二つの大事なことがあると言う。

一つ目は、一流になること

二つ目は、社会をあっと言わせる何かがあること

 

チームは一心にそれを追求し続けている。

 

Wicther 1やWitcher 2においても入り組んだストーリー構造であったが、章立てという閉じられたストーリー展開だった。これらの経験からストーリー主導のゲーム開発を熟知しており、オープンワールドでもそれを適用できた。

 

また、通常では外注することも多いシナリオライターだが、CD Projekt REDでは10名以上に及ぶ、専任のシナリオライターが存在している。このことから、サイドクエストに至るまで人間の手で作られており、自然でハイクオリティなストーリーラインを実現している。

 

「ローマは一日にして成らず」ということわざのように、10年以上かけてノウハウを蓄積してきたのだ。

 

 

この最高のチームメンバーへ投資を惜しまないことが、金銭だけでなく、人材という最高の自己資本を得ることに繋がるのかもしれない。

 

 

3.そしてCyberpunk 2077へ―CD Projekt REDの今後

  • 次の作品、Cyberpunk 2077

既に発表されている通り、CD Projekt REDはCyberpunk 2077の開発に取り組んでおり、アダムの友人であるMike Pondsmith(マイク・ポンスミス)を伴って東京にも取材に来ているようだ。

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Cyberpunk 2077Cyberpunk 2.0.2.0というTRPGが原作のゲーム。マイクは原作執筆者であり、2077も手掛ける。

「原作の持つ世界を単にそのまま再現するのではなく、原作をもとにCD Projekt REDのRPGとして完成させること」とアダムが述べる通り、ここでも原作を昇華させることが得意なCD Projekt REDの味が感じられるだろう。

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サイバーパンク2.0.2.0. 第2版 日本語版 (Cyberpunk 2020: Second Edition) | 中古 | ボードゲーム | 通販ショップの駿河屋より

 

マイクは次作について、ダークで退廃的な未来のディストピアをテーマに挙げている。サイバーパンクというタイトルの通り、ウィリアム・ギブスンに出てくるような世界観であり、ブレードランナーのような世界観になるかもしれない。

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)ブレードランナー ファイナル・カット 製作25周年記念エディション [Blu-ray]

舞台についてdoopeの記事によると

オリジナルの設定から57年が経過した2077年の大都市“Night City”(※ サンフランシスコの南に位置する北カリフォルニア“エコトピア”自由州のメガロポリスで、巨大企業10社から選出された市議会によって運用される)を舞台とする作品となることが報じられていました。

CDPRが「Cyberpunk 2077」の順調な開発をアピール、現在は“The Witcher 3: Wild Hunt”の完成に集中 « doope! 国内外のゲーム情報総合サイトより

としており、大企業が強大な力を持つ社会であることが分かる。

 

Cyberpunk2077に関しての情報は極力出さない方針のようなので今後に期待したいタイトルだ。

 

  • 最後に 

EuroGamerの記事ではCD Projektについてこう締めくくっている。

 

Witcher 3がリリースされた時、CD Projektの時代の終わりを象徴するとともに、アンジェイ・サプコウスキの世界を借りてからの10年が終わることを意味している。

 

CD Projektはゲーム開発の一大企業としての地位を強固にし、Witcherは偉大な出世作として記憶され、脚光を浴びるだろう。その光は目もくらむほど明るくプレッシャーを感じるかもしれないが、CD Projektはもはや弱者ではない。

厳しい目には屈しないはずだ。

 

マルチンはこう述べる。

「最大の成功は最も優秀な人材を発見し、家族のように関係性を育んできたことにある。彼らを誇りに思うよ」

 

 

ソース

Cyberpunk 2077 - Mike Pondsmith about Cyberpunk World - YouTube

Cyberpunk 2077 Teaser Trailer - YouTube

Cyberpunk 2020 getting not just a video game, but a new tabletop game as well | Polygon

The wild road to The Witcher 3 | Develop

How the team behind The Witcher conquered Poland | Polygon

Seeing Red: The story of CD Projekt • Eurogamer.net

『ウィッチャー3 ワイルドハント』スタジオ・ヘッドにインタビュー、CD Projekt REDが贈る次回作はどうなる? - ファミ通.com

4Gamer.net ― ポーランド生まれのシングルRPG,「Witcher」の日本語化MODがメーカー公認へ

『ウィッチャー3』を日本に届けた男が今語るローカライズ理念―スパイク・チュンソフト本間覚氏インタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

 

上記の中で一番詳しかったのがEurogamerの記事。これをベースに他サイトを参考にしながらまとめていきました。

凄く貴重なお話が、詳細に載っていますので是非Eurogamerの記事はご覧になってみてください。今の時代は拡張機能等で全文を機械翻訳出来ますので、気軽に読むことが出来ますよ。

※もしも誤訳があればお教え下さい。修正致します。

 

*1:オープンワールドゲーム―定義は様々だが、一般的には暗転するロード等を挟まない広いフィールド上を好きなように移動し、自由に探索できるようなゲームを指す